KTM 690 SMC Rにオフホイールをつける方法
KTM 690 SMCRをはじめとするモタードは基幹林道程度の未舗装路なら難なく走破可能です。
そのため、好んで林道を走るモタードライダーも多いのではないでしょうか。 (素晴らしい景色に出会えると幸せ)
私も林道大好きモタードライダーですが、林道愛が高まるにつれ次第に未舗装路におけるオンタイヤの性能限界に行き当たり、悔しい思いをすることが増えてきました。
(何度引き返したことか…)
ところで、みなさんご存知の通りSMCRはその兄弟分としてオフロード車のKTM 690 ENDURO Rがラインナップされており、そのパーツの殆どはSMCRと共通化されていることはパーツリストから明らかです。
(SMCR 上 とENDURO R 下 )
ということは、SMCRにENDURO Rのホイールをつけることができれば、高まる林道愛を満たすことができるのではないか?
林道大好きSMCRライダーの皆様なら、そんな疑問を一度は抱いていたことがあるのではないでしょうか。
以降、そんな疑問に取り組んだ私なりの結果を報告したいと思います。
準備するもの
1.ENDURO R用前後ホイール
KTM純正を買うと前後で17万ぐらい必要です。しかし、Warp9 Racingというサイトで買うと、パーツ毎に好みの色にアルマイト加工でき、ブレーキディスクやスプロケも付いてなんと前後10万ほど。しかも決済から20日程度で到着しました。
(wrap9 racingのホイールチョイス画面。選択に応じてグラフィックが変わるワクワク仕様)
(invoice 参考に載せておきます。)
なかなかしっかりしたショップだなぁとの印象を受けましたが、とある外人さんがモタホイールを買ったら、ハブの幅が数ミリずれてて付かない、問い合わせても回答がない…との記事がありました。何があっても何とかする自信がない人は純正が安心です。
Warp 9 Racing - The Best Wheels in the World
(到着したホイール達。やたらオレンジにしたことを後悔…)
スプロケ・スプロケサポートは必須ではないですが、あるとモタード・オフロードの切り替えが楽になりますね
(スプロケサポートは互換性がありそうです。写真はスプロケサポートを取り替えてつけてみたところ)
2.ホイールマウント用スペーサー
I.D. 26mm、O.D. 38mm t 3mm 1個
I.D. 26mm、O.D. 38mm t 7mm 1個
ハブの外側に付けます。外径は別に38じゃなくてもOKです。38だと見た目が良い、という理由から。
(色々な厚みを準備した。最終的に3mmと7mm(5mm+2mm)にたどり着きました。岩田製作所製、発注後2日で到着。それぞれ約750円/個)
3.ブレーキディスクオフセット用スペーサー
I.D. 6mm、O.D. 何でもOK t 2mm 8個
ハブのとブレーキディスクアダプターの間につけます。
(バイク量販店で入手。2mmがなかったので1mmを2枚重ねにした。)
他、タイヤやチューブ、リムバンドはお好きなのを。
リアホイール取り付け
ポン付けなので何ら悩むことはないでしょう
(後ろだけオフホイール)
フロントホイール取り付け
フロントは少々ややこしい。
なぜなら、SMCRとENDURO Rはフォーク間寸法、及びホイールセンター〜キャリパーセンターまでの距離が異なり、ポン付けとはいかないからです。
以降、写真を撮らなかった為に文字メインの説明になります。手が汚れてスマホ触りたくなかった…
まず、フォーク間寸法の違いを解決します。
フォーク間寸法は、具体的にはSMCRの方が10mm(片側5mmずつ)広く、そのままENDURO Rホイールをつけるとガタつく格好になる。
ガタを無くす解決方法は単純。
- スペーサーブッシュの外側にスペーサー(I.D. 26mm、O.D. 38mm t 5mm 左右各1つ 手配不要)を入れて隙間を埋める
または
- SMCRのスペーサーブッシュ(パーツリストの7番)をENDURO Rに移植する
の2通り考えられる。どちらも同じことなので前者で試してみることとした。(後ほどわかるが、このとき使用したスペーサー(I.D. 26mm、O.D. 38mm t 5mm 左右各1個)はお蔵入りに。)
次にブレーキディスクをキャリパーのセンターに合わせる必要がある。
これも簡単。
フロントブレーキディスクアダプター(上画像22番)をSMCRホイールから取り外し、ENDURO Rホイールに移植する。これで10mmオフセットでき、寸法上はブレーキキャリパーセンターにディスクが来ることになる。
結果は予想通り、ホイールは付いた。
(とりあえずついた…とりあえずは。)
当初の計画では、これにて晴れてENDURO Rホイール取り付け完了予定でした。
しかし実際はまだキャリパーとスポークが1mm程干渉し、ホイールが回らない。
ホイールはフォーク間センターに位置し、ガタつきもなく、ディスク位置もバッチリなのに…だ。
フロントホイールのオフセット
干渉の理由は、SMCRのキャリパーがENDURO Rのソレよりもゴツいからだろうか。
とにかく、ホイール(スポーク)とキャリパーの干渉は1mm程度なのでホイールとキャリパーを2mmほど離せば、干渉回避できる。
ポイントは、キャリパーに対する現在のディスクの位置をキープしつつ、ホイール"のみ"2mm動かさなければならない点だ。
何故なら、ディスクごとずらてしまうと、キャリパーのセンターからディスクがずれてしまうからだ。
そういうわけで、方針としては、ホイールをディスクごと2mm、右側(ブレーキレバー側)に寄せ、続いてディスクのみ左側(クラッチレバー側)に2mm寄せる方針を立てた。
つまり、ホイールを右側に寄せるために
ホイール左側スペーサーブッシュの外側に入れていた5mmのスペーサーを7mm(5+2)に変更
(内側から2mm, 5mmとスペーサーを取り付けた様子)
ホイール右側スペーサーブッシュの外側に入れていた5mmスペーサーを3mm(5-2)に変更した。
(3mmスペーサーを取り付けた様子)
さらに、ここからディスクのみ左側に2mm寄せるために、ハブとブレーキディスクアダプターの間にブーキディスクオフセット用スペーサー(8個)をいれた。
(2mmのモノがすぐ手に入らなかったので1mmを、2枚重ね。この時、気になる方は固定ボルトも2mm以上長いものに変えると良い。)
その結果、干渉は回避された。
(やっと回った!)
懸念
鋭い方は以下の点、懸念があることにお気づきだと思う。
- 距離計(スピードメーター)狂うのでは?
- フロントタイヤ、センターより2mm、右側にずれてるのでは?
スピードメーターはディーラーにお願いするのが正攻法。
しかし、フロントタイヤのズレは気になるところ。これを解決するにはENDURO R用キャリパーを用意しなければならないが、それにはコストがかかるだけでなく、SMCRホイールに戻すときキャリパーも取り替ええないといけなくなり至極面倒だ。
幸いにも私の腕では特に影響は感じられなかった。
試運転
早速山へ…
(万が一に備え工具満載で…)
(スタックと格闘中…)
(山に入ったことを後悔)
(試運転完了)
無事、試運転は完了。
最後に
本記事の内容について当方は一切の責任を負えませんので、参考にされる際は安全な場所で入念な試運転をお願いします。当方もまだ不安もあり、工具満載で出かけています。
初めてのブログ記事ゆえに不便もあるかもしれませんが、何かあればコメントください。
本記事がSMCR乗りの方にとっての有益な情報になれば幸いです。